塗装ブース自作 その3 塗装ブース用ファン考察
昨日の調査で、自作塗装ブースの狙いのスペックを考えましたので、今度はそのスペックを実現できるファンの選定に入りたいと思います。
ちなみに、暫定スペックは次の2項目です。
送風量:150㎥/h以上
騒音:50dB以下
使えそうなファンの種類としては、1.PC用冷却ファン、2、PC用冷却ファン(ブロアファン)、3.産業用ファン(シロッコファン)、4.産業用ファン(ターボファン)がありますのでそれぞれ調査してみました。
1.PC用冷却ファン
いわゆるケースファンを用いる場合です。おそらく大口径の方が、送風量を稼ぎつつ低騒音化が可能と思われます。120㎜もしくは140㎜タイプを複数用いる事を想定してファンのスペックを調査してみました。
・GELID Silent 12
サイズ:120㎜
回転数:1,000rpm
作動音:20.2dBA
送風量:37.0CFM
定格電流:0.08A
定格電圧:12V
・GELID Silent 14
サイズ:140㎜
回転数:1,000rpm
作動音:21.0dBA
送風量:64.8CFM
定格電流:0.12A
定格電圧:12V
・CORSAIR D.F.STORM
サイズ:120mm
回転数:1,500~3,500RPM
作動音:23~38dB
送風量:72.47~155.08CFM
定格電流:1.10A
定格電圧:12V
いくつか調べてみた中で、代表例として3点ほど抜出してきました。スペックを見てみると、このタイプのファンは風量をCFMと言う単位で表している様です。CFMとはCubic Feet per Minuitの略だとの事ですので換算してみましょう。
まず、
1 [CFM] = 1 ^3 [feet^3] / [min]
1 [feet] = 0.3048 [m]
60 [min] = 1 [h]
ですので
1^3 [feet^3] / 1 [min]
= 0.3048^3 [m^3] / (1 / 60) [h]
= 1.699 [m^3/h]
最も爆風のD.F.STORMで換算すると、3,500RPM時に263 m3/hとなります。
これはすごい。ただしこれはかなり特殊なファンの様なので、標準的なGELID Silent 14の場合は110 m3/hとなり、これでも2個使えばかなりの風量が稼げそうです。
ただし、ファンの実装を考えた際、このタイプのファンを流用すると直流12V電源が必要です。私の場合、横にデスクトップPCを置いていますので、ここから電源を取ることも可能ですが、ちょっと嫌な感じですね。まだ安いPC用電源や中古品を買った方がすっきりしそうです。いろいろと考えていて思いついたのは、ノートPC用の冷却ファンを使用することです。電源はUSBから引けますので、デスクトップPCからでも、スマホ充電機の電源も使えそうです。
と言うわけで早速amazonさんで調査したところこんなものが見つかりました。
【Electric Department】ノートパソコン用 5ファン クーラー 切替スイッチ付 冷却台 15.4インチワイド対応
値段:830円
ファン:12.5cm×1、5.5cm×4
とにかく安く、電源もUSB給電可、形状もノートPCサイズで薄型なので、箱の奥に穴をあけてこのファンを立てかけて固定すればブース部分はほぼ完成です。工作が容易で価格も安価とくれば言う事無しです。
でもなんだか話がうますぎる気がしたので、別の角度からも検証してみましょう。まず、ファンの定格出力を計算してみました。120mmファン同士で比較してみます。
GELID Silent 12:0.08A × 12V = 0.96W で 63 m3/h
CORSAIR D.F.STORM: 1.10A × 12V = 13.2W で263 m3/h
となります。出力あたりの風量に換算すると、
GELID Silent 12:65.6 [m3/h] / [W]
CORSAIR D.F.STORM:19.9 [m3/h] / [W]
D.F.STORMは、1W当りの風量が少なくなっていますね。これは、このタイプのファンは回転数を上げる事で消費電力は増えていますが送風効率は落ちてしまい、送風量がそこまで増えてくれないことを示唆している可能性が有ります。
ちなみに目標とするタミヤペインティングブースは、2.63 [m3/h] / [W]になります。なんと!!、効率の悪いはずのCORSAIR D.F.STORMのさらに1/7の効率になっています。
一筋縄ではいかなそうなファン選定、一度『送風』について勉強してみた方がよさそうなので、明日も研究は続きます。
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